

ご家庭へのお願い(教育方針)
人と比較するのではなく
過去の自分と比べる
共に驚き、共に喜ぶ、対等な親子関係を
同じ音楽教室に、同じ学年の子が通っていると、特にありがちなのですが、「〇〇ちゃんはあんなに上手に弾けるのに、どうしてあなたは弾けないの?」と、人と比較してしまうと、お子さんの自己肯定感はどんどん下がっていきます。
同じ学年であったとしても、音楽を始めた年齢も違えば、人生における音楽の重要度も、音楽に割ける時間も人それぞれです。
確かに、負けず嫌いのお子さんであれば、人と比較することで短期的には頑張るかもしれません。頑張ることで、自分よりも上手だったAちゃんよりも上手くなるかもしれません。でも、今度は、それよりも上手なBちゃんと比較されます。また頑張ってBちゃんより上手になっても、それよりも上手なCちゃんと比較され……。
結局、世界で一番になるまで認めてもらえない音楽人生になってしまいます。
ご家庭では「一週間前より〇〇ができるようになったね」「1ヶ月前より、長く練習できるようになったね」とできるようになったことを一つひとつ認めて下さい。そして、何より、できるようになったことに驚いて下さい。
アドラー心理学では、褒めることも叱ることも否定されています。それは親子の関係が「上下関係」で固定されてしまうから。その代わり「勇気づけ」を推奨しています。
勇気づけとは、上から褒めたり、叱るのではなく、困難に立ち向かい、乗り越えるための活力を与えること。
「できるようになったから偉い」「ちゃんと練習して良い子」とジャッジするのではなく、ただできるようになったという事実だけを伝え、共に驚き、共に喜ぶ。このように、親子の関係は、上下ではなく、対等であるほうが望ましいのです。
そうすることで、子どもはお父さんお母さんをもっと驚かせようと頑張り、自分の成長を実感しながら、自己肯定感も高まっていきます。
ただし、お子さんが自ら「〇〇よりうまくなりたい!」とライバルを設定した場合は、応援してあげて下さい。それは自ら設定した、悲壮感を伴わない目標だからです。
